TSUTAYA BOOKSTORE下北沢  大人が『ツナグ』シモキタザワ

『昔行ってたことが
そして「今は卒業した街だよ」って話すことが
ステータスになるんですシモキタって』

 

森下GeneralManager(以後GM)に
下北沢のイメージってなんですか?
と聞いた時に
『私は関西出身なのであまり
下北沢に来たことは無いのですが』
と断りを入れてから話してくれた。

 

『シェルターでライブしてた誰誰と話したんだよ、とか
スズナリとか本多劇場入り浸ってって、とか
昔あのあたりにお気に入りの古着屋があってさ、とか
みんなそういう話を本当に嬉しそうにするんですよ。

だからミカン下北ができたことをきっかけに
色んな人がもう一度シモキタにきて
ステータスになるような体験をして

全世代がまた通う街になればいいなって』

 

駅と駅前が激変した下北沢

下北沢といえば
小田急線の地下鉄化に伴う
駅及び元路線地域の再開発の伴い
大きく変化した街だ

昔は歩道橋のような駅で改札を出ると
南口と北口に分かれていたが
今は小田急と京王井の頭線の
『中央口』で統一されてすっきりした。

 

駅と駅前が激変した下北沢

 

京王井の頭線下北沢駅

 

逆側の小田急線専用の『南西口』は
駅の2階に『シモキタエキウエ』ができ
駅すぐの景観も下北沢というより
どこぞの新興住宅街駅前のようになっている

 

下北沢駅南西口

下北沢駅南西口 シモキタエキウエ

下北沢駅南西口 シモキタエキウエ
シモキタエキウエ内の壁アート

下北沢駅南西口 

 

駅前の景観もそうだが

一番知らない街と感じるのが
『道が違う』ことなのだ

例えば中央口すぐ高架下にできた商業施設
ミカン下北の横を抜けると
屋根裏(現ろくでもない夜)とシェルターに抜ける
下北沢東会通りにでるのだ

 

南口をでて南口商店街に入らず左折し
本多劇場とヴィレバンを横目に見て
行くルートが最短だと思ってた身には
もはやうらしま太郎である

 

正直ここ数年の下北沢の
カレー激戦区化にさえ戸惑っていたのに。

 

その下北沢激変を象徴する最新のものが
昔の京王井の頭線盛土スペースに
2022年3月30日にオープンした『ミカン下北』

 

ミカン下北 ロゴ

 

このミカン下北A区画2階にできたのが
今回取材させていただいた
TSUTAYA BOOKSTORE下北沢である。

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 SHARE LOUNGE

冒頭のインタビューの後
森下GMに店内を案内していただいた。

このTSUTAYA BOOKSTORE下北沢は
『2階』と『3階』があり
2階はSHARE LOUNGEと本
3階は本とイベントスペースとテラスとなっている。

SHARE LOUNGE

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 SHARE LOUNGE

まずは2階フロアの半分を占めるSHARE LOUNGE。

TSUTAYAでも限られた店舗にしかなく
ここ以外だと渋谷スクランブルスクエア
二子玉川、田町に川崎
最近だと亀戸にH¹Tとコラボした拠点ができたとか。

料金は時間制でここは1時間で1,100円
アプリ利用で990円
3,300円で1日利用ができる。

 

入り口は入ってすぐはソファー席がメイン
本棚に囲まれた空間で
誰かと話したり、ゆっくりしたり。

 

下北沢駅中央口 SHARE LOUNGE TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 ミカン下北 Wi-Fi

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 SHARE LOUNGE

 

窓際にも4人用、2人用のテーブル席が並ぶ

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 SHARE LOUNGE

 

窓際奥には電源完備の作業しやすいデスクタイプの席

 

下北沢駅中央口 SHARE LOUNGE TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 ミカン下北 Wi-Fi

 

さらにSHARE LOUNGE奥のスペースは
作業できるデスクが多数。

 

電源完備の作業しやすい デス

 

 

ドリンクだけでなくナッツもフリーなのが
SHARE LOUNGEの嬉しいところ

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 SHARE LOUNGE

 

ドリンクも多種取り揃えており
森下さん曰くサーバーから注ぐ
ナイトロ(窒素)コーヒーがお勧め

 

 

また1時間1,540円でなんとアルコールもフリーになるプランも。
3種のビールとハイボールがサーバーで
ワイン・ホッピー・サワーが冷蔵庫で冷えている。

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 SHARE LOUNGE

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 2階

次に2階の本スペースへ

下北沢駅側の入り口傍には
サインやその時期の企画関連の本が平積みされている。

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 2階

 

下北沢東会通り側にも入り口があるのだが
そちらはまず絵本が目に飛び込んでくる。

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 2階

 

『下北沢って若者の街ってイメージですが
子連れのお母さん方も多いので児童書は
こちらの一番目立つところにしました』

 

取材した時間は平日の15時あたりなのだが
確かに主婦層が一番多く見受けられた。

 

またこのエリアは常設本の中で利用頻度の
高いものが集まっているが

 

『手前に売れ筋関係があるのですが雑誌と並んで
アートとかデザインとかクリエイターが使う本を
目立つ場所に多めに置いているのは下北沢店の特徴ですね』

だそうだ。

 

確かに下の写真右側は各種雑誌
左側はデザイン・アート本がズラリと立ち並ぶ

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 2階

 

この本棚と本棚の通路にも
下北沢店のこだわりがあるようで

 

『開店の前段階からお母さんが
お子様を連れてこれるお店にしよう
と決めていたので、本と本の間の通路は
ベビーカーが通れる広さに設計したんです。』

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 3階

 

次に3階へ

階段を上りすぐに目にはいるのはどう見ても本ではない

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 3階

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 3階

 

この日はカレー

それに下北沢近辺のクリエイターの作品も

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 3階

 

 

『普段本に触れる機会が無い方にも触れて貰いたいんです。
これなら雑貨目当ての方にも、本に触れてもらえるかな、と』

 

そこからさらに下北沢東会通り側に向かうと
クラウドファンディングの商品を実際に
手に取れるスペースにでる。

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢 3階

 

 

その横にはが入っている商業施設
ミカン下北沢のテナントで働いている人が
お勧めする本がスタッフさんの
顔と名前と一緒に陳列されている。

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢

 

2枚目の自家製焼き小籠包のダパインダンさん
ランチで食べたがめちゃめちゃ美味しかった。
皮が厚めなんですけど
底がこんがり焼きあげてあって
食べるとザクって食感と溢れる肉汁が最高でした。

 

そこから逆側に向かうと見渡す限り
マンガ・漫画・まんが

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢

 

森下GMいわく

『意外だったのですが、下北沢って
マンガをたくさん置いてある本屋さんが
少ないんですよ。そもそも大きな敷地が
ある本屋さんがあまりないので。
それならばと』

 

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢のテーマは『ツナグ』

TSUTAYA BOOKSTORE下北沢のテーマは『ツナグ』
森下GM(写真左)と佐藤店長(写真右)

 

 

『大きいチェーン店が増えて
昔のシモキタを知ってる人からすると
寂しさはありますよね。私を含めて』

 

ここの立ち上げ企画段階から関わっている佐藤店長に
少しだけお話をきかせていただいた。

 

『最初はもっと価格帯の高いところをターゲットにしていました。
でも、コンセプトを詰めていくうちに、地元の方も遊びに来た方も、
老若男女が気軽に使えるようにしようって

 

『その上で「ツナグ」をコアのコンセプトにすることにしたんです』

 

『このTSUTAYA BOOKSTORE下北沢は
下北沢駅から裏の下北沢東会通りに繋げる場所にあって
また1階から3階にもつなげる場所にあって』

 

『なにより昔のシモキタを今の人たちに繋げることができれば』

 

取材中に森下GMが
店の導線の通路を
『ベビーカーが通れる広さにした』
と教えていただいたが
それも親から子へ大事な命をツナグことを
体現したと考えれば至極当然のデザインなのかもしれない。

昔のシモキタを知っているからできることがある

 

私のシモキタと言えばなにを差し置いても
ライブハウスシェルターだ

 

下北沢シェルター ライブハウス

地下のライブハウスに続く階段で
ぴあで買ったチケット片手に開場まで並び
中に入ったら1ドリンクを飲みながら開演を待つ

前で見たければ早めに柵前に陣取る

ライブ前は古着屋を冷かして
ライブ後は少し歩いて都夏で一杯

 

都夏(つげ) 下北沢 居酒屋

 

当然一杯じゃ済むはすなく
アンコールで遅くなったことを言い訳にして
朝まで飲めるのがシモキタ。

今はどうだか知らないが
あの頃の下北の居酒屋は
朝7時まで空いてた店が多かった。

ちなみに私はお酒は強くないので
ほぼウーロン茶であったが

 

 

これは私の『行ってた頃のシモキタ』であって
小劇場に入り浸ってた人もいれば
自分がパフォーマンスする立場だった人もいただろう。
大学時代一人暮らししながらバイトしてた人もいただろう。

冒頭の森下GMの言葉通り
昔のシモキタに行っていた10人がいれば
それぞれの語りたくなるシモキタがあるのだ

 

だからこそ佐藤店長が
『昔のシモキタを今の人たちに繋げる』
と言ってくれた時は嬉しかった。

 

お金こそないが至る所で
自己と集団の表現を感じることができ
パフォマーやクリエイターを
応援することで盛り上がっていく
下北沢の文化は無くならないでいて欲しい。

HP・料金・詳細

ドロップイン・時間利用

1時間 990円~ 
1日 3,300円

月額利用

メンバー会員料金
月額 33,000円

法人登記用住所利用

非対応

店舗情報

Shop info
住所 〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-11-15 ミカン下北2F
下北沢駅中央口徒歩1分
営業時間 9:00-22:00
TEL  03-6778-4039
HP  SHARE LOUNGE TSUTAYA BOOKSTORE 下北沢
コンセント  〇
禁煙・喫煙 
 禁煙(No smoking) 
支払(payment) 
credit cards/
HOLIDAY  TSUTAYA BOOKSTORE下北沢に準ずる

 

最後に

駅前があまりに変わってしまったので
私の知っている下北沢はもう無いみたいな
テンションで書いてしまったが
あの頃のシモキタはちょっと歩けば普通にあるのだ。

下北沢に限らずすべての土地は
何かしら変化していくもので
それを懐かしむことはできても
止めることはできない

 

大事なのは今と昔をどう混じりあうかを
見守ることなのかもしれない

今も昔も文化とはそうしてできてきたのだから。

 

 

 

 

当初はワークスペースの取材で
SHARE LOUNGE中心の記事のつもりでしたが
気が付けばTSUTAYA BOOKSTORE 下北沢を
まるまる取材していました。

それほど面白い時間でした。

今回の取材は急に決まったにも関わらず
お忙しい中真摯に対応していただいた
森下GM、佐藤店長には感謝しかありません。

本当にありがとうございました。

 

 

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